ホーム > 四川のマイクロ水力

projectC 谷川の水の力で家庭用の電気をつくるプロジェクト‐中国 四川省‐

現地からのプロジェクトレポートを読む

パンダの生息地を守る

WWFChinaと協力して、四川省涼山州の山岳地域の無電化地域にマイクロ水力発電機を設置し、電気の無い生活を送っている家庭に電気を供給するプログラムCDM事業を行っています。山岳地域のイ族の多くの人たちは、薪・柴を煮炊き・暖房などの家庭用燃料として使っているため、森林伐採がパンダをはじめとする様々な希少動植物の脅威となっています。マイクロ水力発電機の普及を通して、イ族の人たちの生活を近代化し、森林伐採を抑制して、生物多様性の保護を行います。

Project背景

涼山州は四川省最南部に位置し、大部分は山岳地帯で、住民のほとんど全てが少数民族のイ族です。イ族の人々は、農業や牧畜に従事していますが、自然環境が厳しく地理的な制約もあり、その生産性は低くて現金収入が少なく貧しい生活を送っています。コミュニティーは、グリッドからの距離が遠くて農家も分散しているため、多くの人たちは電気の無い生活を送っています。利用できるエネルギー資源が乏しいため、自然資源への依存度がとても高く、イ族の人々は長年にわたって暖房、煮炊き、湯沸かしに森林を伐採して使用しています。加えて森林開発も行われたため、希少動物や野鳥の生息地が破壊を受け、パンダをはじめとする動植物の保護事業に対して脅威をもたらしており、人と自然の調和がとれた共存が大きな課題となっています。同地域は、多くの谷や川があり、水資源が豊富です。そこで、WWF成都は、 2008年に申果庄パンダ保護区にマイクロ水力発電機を7台設置し、21農家に電気を送りました。しかし、さらに普及するには資金が無く、PEARと協力してCDMで資金を集めて、普及を行うこととしました。

活用された技術

水力発電の電気は再生可能エネルギーで、CO2を出しません。バイオマス燃料そのものからの炭素の排出については、燃料の育成時に環境中から二酸化炭素を光合成で吸収しているため、その分はカーボンニュートラルとみなされます。しかし、森林が伐採され、植林が行われず森のサイクルが途切れると、森林は恒常的にCO2を固定しなくなります。このような森林を伐採した薪は、非再生可能バイオマスと言い、燃焼利用すると、CO2を排出したことになります。
出力100kw以下はマイクロ水力、1KW以下の小さなものはピコ水力と呼ばれています。プロジェクトでは、3kW〜5,5kWのマイクロ水力発電機を設置し、 1台で3家庭から6家庭に電力を供給します。川に沿って導水路を造ったり、小さな貯水池を作って川の水を溜めてパイプ設置したりして、落差(ヘッド)を作ります。水の落差(落下エネルギー)や水流の勢いで、プロペラ水車発電機のプロペラ状の羽根車(ランナ)を回し、その回転は、水車と同一軸(主軸)の発電機に伝えられて、発電します。低コストで、数メートル程度の落差から電力を発生させます。


取り組み状況

PEARは、WWF China成都 Programme office、四川省涼山州政府と協力して、排出権クレジット(CERs)による収益を、直接農民に還元するコベネフィッツ型のプログラムCDMを開発しています。WWF Chinaは、三井物産環境基金の助成により、Activityの第一号として四川省涼山イ族自治州申果庄パンダ保護区に3kWのマイクロ水力発電機を120台設置し、国連登録に向けてValidationを行っています。同時に、ゴールドスタンダード認証の取得審査も行っています。

恩恵を受ける人

イ族の家は、土で作られており、床は土間で明かり取りの窓も少なく、日中でも部屋は暗いです。灯りは、ケロシン(灯油)ランプで、ちょっと離れると顔も見えません。ホコリも見えず、部屋は不衛生になります。お母さんは、いろりで、柴や薪をくべて煮炊きをして料理を作ります。火力も弱いし、部屋中が煙だらけになります。電気が使えるようになると、電灯の灯りで明るくなり、家族みんなの顔が見えるようになります。電気釜で煮炊きをするので、煙による大気汚染が無くなり、お母さんや子供たちの気管支などの疾病を予防します。そして、みんなの顔を見ながら、楽しく食事が出来るようになります。森林伐採が少なくなると、希少動物や野鳥の生息地も守られて、パンダをはじめとする動植物も大変喜びます。

カウンターパート

WWFは、100 を超える国々で活動する世界最大の自然保護 NGO (非政府組織)です。 1961 年に、絶滅の危機にある野生生物の保護を目的としてスイスで設立され、次第に活動を拡大して、現在は、絶滅危機種の保護や、地球全体の生物多様性を守るために選定された最も重要な地域の保全、森林や海洋の持続可能な開発の推進、地球規模の環境問題である気候変動や化学物質による汚染を食い止める活動を行なっています。
中国においては、1980年のパンダ及び生息地の保護に始って、1996年にWWF北京事務所を設立、2002年には長江上流と岷山の森林生物多様性及びパンダとパンダ生息地の保護のため成都 Programme officeを設立しました。
涼山州は四川省最南部に位置し、大部分は山岳地帯で、住民のほとんど全てが少数民族のイ族です。2000年の第5次全国人口普査統計ではイ族の人口は7,762,286人で、2003年の統計では、涼山州人口4,154,827人のうち、漢族が2,187,984人、イ族が1,815,539です。涼山州政府は、イ族の人たちの生活の近代化と森林保護、生物の多様性保護に力を注いでいます。

現地からのプロジェクトレポートを読む

We all read paper mate sharp writer until we lose interest, or we skip ahead, go back, or jump to the end
ページの先頭へ